「未経験でもデザイナーになれますか?」と聞いてきた貴方へ、僕は応えたい。
「未経験でもデザイナーになれますか?」
この質問はSNSだったり、直接聞かれることがたまにあります。
SNSでも時々議論にもなったりしていますね。
僕はこの質問を受けたり、悩んでいる人を見ると、
その質問に至った「真意」がとても気になってきます。
※ここで言う「未経験」は実務未経験のことを指しています。
未経験でもデザイナーになることはできる。
結論から言うと、未経験でもデザイナーにはなることは可能です。
ただ、これはあくまで手段を選ばない、あるいは自分の理想ではなくという言葉を添えた上で、です。
アルバイトであったり、社員登用でも経験不問で採用したりする所は探せば存在します。
実際、前職の会社では経験不問で中途採用なども行っていました。
ですが、これにはある程度の成約や条件があります。
給与面や出来る仕事の限界(一定期間は雑用とか)やアルバイトから、など。
もちろん、これは会社の求人内容や面接の経て、もしくは実際に就職してみないとわからないかもしれません。
経験不問の場合、教えるコストなどを考慮した上で考えていることなので、デザイナーという職種に限らず総合職全体でよくあることです。
その問いには「見えていない『意図』」がある。
今、僕の問いに対する答えを読んで「いや、そうじゃないんです!」と思う方もいたと思います。
反論というか、具体的に理由や説明などを言いたくなった方もいると思います。
それです。
そこが知りたいんです。
「未経験でもデザイナーになれるか?」という質問は、おそらく何か理由や不安、もしくは色々と考え抜いた上で、何かまとまった上でこの一言の質問になったと思うのです。
・キャリアチェンジすることへの不安
・自身のスキルと対会社、未来の転職先、実務経験デザイナーとのギャップ
・未来性への不安(ライフプランや給与面)
・失敗できない?
・焦り?
などなど…
おそらく、デザイナーになれるかではなく、"未経験"自体と各々のバックボーンやインプットしていきたことに対して、それを伴ったものなどが「未経験でもデザイナーになれるのか?」にまとまっているのかと。
あなたの考える「デザイナー像」を教えてほしい。
UI/UX、WEB、グラフィック、プロダクト、立場的にもインハウスデザイナーもあれば、スタートアップで裁量を負うCDOまで。
こういった様々な分野に対し、自分が5年後にどうなっているかのゴール、理想のデザイナー像をイメージしておくと良いかもしれません。
そうしておくと、そのゴールイメージに対して自分に何が足りないのか、足りないものを補ったり、得ていくためにどういったプロセスが必要になっていくのか、それを知っているのだけでも不安が少しずつ解消していくと思うのです。
理想のデザイナー像メモ
・業界は?
・会社は?(中小企業?スタートアップ? ※具体的な会社名でもOK)
・月収は?年収は?
・ポジションは?(デザイナー?ディレクター?CDO?)
・何のツールが使えている?
・どんなパソコンを使う?
・所属している所からはどういった評価を受けたい?
・休日は何をしている?
デザイナー像へのロードマップをひく。
自身の未来のデザイナー像が固まったら、デザイナー未経験の現時点まで逆算していきます。
仮に35歳で「一人前のアートディレクターになる」という目標をたてたとして、
・一人前になる前に何歳でアートディレクター職に就くのか。
・一人前になるために学ぶことは何か。いつ学ぶか。
・アートディレクターの職には、どの会社でなるのか(インハウス?転職?)
・アートディレクターになるには何歳のうちに、その技術を学ぶ必要があるのか。
こういった形で、年齢や時期(月単位)などで計画を具体的にたてていきます。
所謂、ロードマップです。
こうして、理想のデザイナー像としての自分と未経験状態の自分のギャップを可視化することで、いつまでに何をやれば良いのか、より具体的になります。
未経験でも「戦略的に」デザイナーを狙える時代。
一昔前まで、デザイナーといえば「グラフィック」「Web」「ロゴ」など、手を動かしたり、図式を表現する、といった分野が表舞台に出ていることが多かったし、実際にそういった職能の求人が多かった時代でした。
結構大枠な上に狭き門。
ですが、今でいう「デザイナー」はUI/UX、サービスデザイナー、プロダクトデザイナーなどなど、多岐に、且つ細分化してきています。
細分化している、というのは大学であれ専門学校であれ、これらの分野に特化した講義や授業が増えてきたり、職種即ち求人案内が出てきているということで、一昔の総合スキルや高い特化スキルが絶対に必要、という形にはない状態です(すべてが、とは言い切れませんが。)
なので、自分が何でありたいか、それに必要なものが何かを定めれば、確度の高い状態を作り出すことが出来るかもしれません。
「なる」というのは、一種の「覚悟」
デザイナーという職業には、専門学校や大学での専攻、ゼミがありますが、資格・免許というものがありません。
(逆に言えば、条件の中に「実務経験歴」ということが、定性的な資格・免許にあたるのかも)
つまり、乱暴に言えば、未経験でもフリーランスから始めてしまっても良いわけです。
逆に言えば、資格・免許の保証がない分、100%デザイナーになることができると明言できるものでもありません。(もちろん、これはデザイナーに限った話ではありませんが)
未経験よりも、どういう「あなた」でありたいか。
「未経験でもデザイナーになれますか?」
これに、僕は往々にして、こう応えます。
「その話、詳しく聞かせてください。
どうしてそう思ったのですか?」と。
でも、1000人1000色の、その背景、その理由に応えることはできません。
なので、未経験ゆえの不安に苛まれた時に考えてほしいんです。
・自分の5年後のプロフィールとステータスは、どうありたいか。
・現在と5年後の間のロードマップをひいてみる。
・俯瞰して、その時にやらなければいけないことをやってみる。
たぶん、さらに不安になる人もいれば、目の前の視界がちょっとだけ開けてキラキラする人もいると思います。
でも、少なくとも「未経験でもデザイナーになれるのか?」という所から、一歩踏み出すことができるはずです。
ロードマップや、5年後のプロフィールを具体化するのは難しいと感じた人は近くだったり、知り合いのデザイナーでも良いですし、もし近くにいなかったら遠慮なく僕にも聞いてくださいb
おっぱい。