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熱伝導の高いデザイナーになる【InHouseDesigners #3 Report】

インハウスデザイナー兼週末フリーランスのモンブランです。

デザイナーから働きかける "チームビルディング" - InHouseDesigners #3 」にnote枠として参加させていただいたので、そのレポートとなります。
ご査収くださいませ〜。

短いひとときでも気軽に話せる関係性を目指す

いちデザイナーがチームビルディングのために何ができるか?
- 藤本 貫二郎さん / レバレジーズ株式会社所属

主催会社のレバレジーズさんデザイナーの藤本さんは、やることの多様化による起きてきたTeratailでのコミュニケーションの障害をどう解決していったについて、お話をされていました。

特に注力してお話されていたのは「対話」について。

藤本さんが所属しているメディア開発チームでは、お互いの話の受け止め方の違いや、"当たり前の価値観"の殴り合いなどが起きていて、相互理解が不足している状態でした。

これを課題を解決するために、対話を中心とした施策を行っていきます。

◆弱音を吐く会
- 自分の課題感を共有しあい、相手の課題感を理解する時間を設ける
- うまく言語化できていない所は視覚化する
ドラッカー風エクササイズ
- メンバー集まり3つの質問に回答する
 - 得意、強み
 - 自分の思うチームメンバーが期待する強み
 - 他のメンバーに期待する強み
◆Retro
- 1on1で10分のほどの振り返り面談
- 自分、相手の良い点・悪い点などの気付きを共有する
◆Walking and Talking
- MTGの移動中でも話しかけるくらい普段からコミュニケーションをする

こういった自らアウトプットをして、相手のアウトプットをしていき相互理解を深めることで、チームメンバーがチームとしてのゴールを周りの動きを気にかけながら動くことができるようになったとのことでした。

◆まとめ
・積極的な対話を交わし、助け合いができる環境をつくる
・チームに課題感を持った人からすぐに行動にうつす!

Slide : https://www.slideshare.net/mwmw19/ss-106672932


伝える熱量が大事。

デザイナーから働きかけるチームビルディング
- 佐伯 幸徳さん / 弁護士ドットコム株式会社所属

佐伯さんは現在ジョインされているCLOUDSIGNでのチームビルディングの行い方を以前登壇時にお話されたという、前回の「デザイナーの成長戦略」で話されたことに基づいてお話をされていました。

チームでよくある「セールスはセールス」や「実装は実装」のような業務の縦割り感や、MTGでの発言権の偏りなどを対話を用いることで越境をするというものでした。

弁護士ドットコムさんでは、チーム内でも「Mission Vision Value」をお持ちで、それに基づき、20分間の1on1や、こんなCLOUDSIGNはいやだ会といったチーム感での共感を集める施策を講じていました。

こういった施策を講じる上で大事なのが「熱量」
やってくぞ!!という気持ちを出していく ということですが、この熱さをチーム全体に行き渡るようにするために佐伯さんは「熱伝導率の高くする」ことを心がけているとのこと

プロジェクトに対して、マネージャーは熱量を高い人を探しその人に権限を託す、メンバーは自分が何に対して熱を持てるか理解をする。もし熱を持てないようなら、熱を持っている人のフォロワーになり熱伝導率をあげる動きをする。
このマインドを持つことで、デザイナーが持つ手段をチームビルディングに活かすことができるとのことでした。

※佐伯さんのスライドが良い意味で濃密すぎ+撮影でわちゃわちゃしててあんま追いきれてないですすみません


良い悪いを判断できない"アウトプット製造機"はデザイナーの評価を下げる。

デザイナーがいないプロダクトにジョインしたときの失敗と成功から学んだこと
- 五十幡 梓弓さん / 株式会社Speee所属

Speeeの五十幡さんは、ご自身が経験した組織体ベースでのケースを軸に組織にマッチするデザイナーについてお話されました。

◆Badケース
[環境]
- スモールチーム
- UIやインタラクションも実装できる経験度の高いエンジニアが在籍
- デザイナーがいないためUIなども好みのフレームワーク
[行動]
- フルスタックデザイナーとしての動き
- とにかくアウトプットをして提案
[結果]
- デザイナーとしてではなく、アウトプットに対しての評価しかなかった
- アウトプットに困っている環境ではなかった
- プロダクトに対しての好き嫌いの判断になってしまった
◆Goodケース
[環境]
- 成長過程のミドルチーム
- プロジェクトマネージャとエンジニア複数名
- フロントの実装、UIはフレームワーク
[行動]
- 色々な人にヒアリング
- 新しい提案、やってみませんか提案
- 他者の協力を仰ぐ、巻き込み
[結果]
- 漠然としてプロダクトの方針が明確化
- チームの壁がなくなり、気軽に提案ができる環境

アウトプットに集中しすぎて、アウトプットだけを評価される、というのはスタートアップで僕も経験したことだったので、ゾッとしました 汗

Goodケースの際の振り返りでは、ここでもコミュニケーションのとり方について工夫をお話されていました。

◆コミュニケーションの取り方
- 作り変えることに固執しない
- 意図を聞いたり、頼っちゃう。協力してもらう動き方
- コミュニケーションをとる頻度をあげる

このGoodとBadを経験した五十幡さんはノンデザイナーが思い浮かべているアイデア、課題、機能を視覚的にアウトプットしてあげ、その人たちの「いいもの」がどこにあるのか、理解と共感をすることが重要とお話していました。

Slide : https://note.mu/wooz812/n/n67676a9f3ffe


大臣制の導入で個々の責任性を高める。

デザイン組織立ち上げ時のチームビルディング
- アタラシ タケシさん / 株式会社クラウドワークス所属

クラウドワークスの新さんは、クラウドワークスのデザイン組織での発足初期のミニマムの頃から大人数になってきた頃の組織デザインを段階的にお話されていました。

当時のクラウドワークスはデザイナーがごく少数な上にマネジメント層の知識も弱いというひどい状況からスタートしています。

◆デザイン組織立ち上げ前夜
[課題]
- 知識や経験の浅さ
- 個々のお気持ちはあるが、お互いの気持ちは認識してない
[やったこと]
- 知識量の均一化(デザイン系の記事をシェア、イベントに一緒に行く)
- 一体感の構築(ミッション、ビジョンを決める、一緒に作る
- 信頼関係の構築(1on1)

一体感の構築の中で作成したのは、あの有名なUXガイドライン。
こういったオフラインのプロダクトを作るのは意識統一に便利ですし、一緒に作ることで仲間意識が生まれるようです。旅行のしおりみたいなイメージな予感!

◆定着期(新人メンバーが入ってきた時期)
[課題]
- もやもや感(自分たちが何をどこにぶつけるか問題)
- 社内のデザイナーの存在感はまだまだ低い
- 新人メンバーのマネジメント(一体感、責任感を既存メンバーと同質化)
[やったこと]
- 心理的な距離をちぢめる
- 帰属意識の構築(スクラム風チーム / 全員採用活動 / 大臣制導入
- 一体感の再構築(勉強会 / 読書会 / コンテスト参加 / ユーザーリサーチ)
- 社内からの注目を集める動き(社内報)

ここでは大臣制の導入が観客の方も盛り上がっていました。
形式のみとしても、こういったキャラクター性をあえて持たせることで責任感と帰属意識を持たせることができるめちゃめちゃ良い施策と思いました!

Slide : https://speakerdeck.com/atarashitakeshi/dezainzu-zhi-li-tishang-geshi-falsetimubirudeingu?slide=31


何故、チームビルディングに取り組むのか

今回のセッションでは、登壇者それぞれのチームビルディングの考え方が象徴的でした。

◆チームビルディングは...
チーム全員がチームとしての目的とゴールに向かい、自身の責任を全うしながら、助け合いながら進んでいく
- レバレジーズ 藤本さん

◆チームビルディングに取り組み理由
変化が激しく、不確実性の高いビジネス環境での変化に順内に適応、変革を個人のスキルアップと同時に作る強いチームつくりが必要となるため
- 弁護士ドットコム 佐伯さん

◆チームビルディングに必要なこと
チームの中でのプラダクトのアイデア・課題・機能は、チーム・人・プロダクトを知る必要があり、そこからどういう関係性を築くかを考える
- Speee 五十幡さん

◆チームビルディングは
課題の小さいうちに、常にやり続くけていく。誰が始めても良い。
たとえ仕事に関係がなくてもチームビルディングになりそうな提案は受け入れて実行していく。
- クラウドワークス 新さん

仰っている事の軸は同様ですが、スモールから大規模までそれぞれの環境下でそれぞれに合った良いチームの構築方法をお話されていて、とても勉強になりました!


デザイナーこそ「対話と共感」が大事

4つの貴重なセッションを聞いて、個人的に思ったことは「デザイナーには対話と発信が必要であり、課題である」ということでした。

様々なチーム編成やデザイナーの取り巻く環境を、今回の4つのセッションで聞きましたが、

・デザイナーは作りに集中してしまって、対話が足りていない?
・小さく収まってしまう傾向がある?
・デザイナー同士での理解度にもバラつきがある?

というのを感じました。

僕は対人ではよく話す方ですが、グループや組織に対しての対話は苦手な方でして(最近は意識的にやってる)何故、そういった苦手意識を持っているか、課題はなんなのか、その解決先はといったTipsが今回のセッションにすべてに散りばめられていたように思っています。

今回のセッションで解決法がたくさんいただいたので、着実に実行していきたいと思います!
まずは、農林水産大臣(植物育成)から始めますぞ!★


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モンブラン|Designer × VTuber
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