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世界中の笑顔をもとめて|UICrunch「娯楽のUI」レポ

今回「UI Crunch #13 娯楽のUI - by Nintendo -」にnote枠として参加しましたので、noteにレポを書かせていただきます。

「UI脳」と「娯楽脳」

遊び心とUI|UI/UXデザインチーフ 正木 義文さん
「WiiUマリオメーカー」を題材に「わかりやすさと高機能」をどう実現していくかという内容でした。

WiiUマリオメーカーというのは、スーパーマリオのプレイ画面を自分でカスタマイズできるゲームなのですが、色々な機能を持ち合わせている高機能な側面と誰でも遊べるわかりやすさを同時に備える必要があったのですが、これをモノを近づけるとマグネットのように吸着したり、クリボーにキノコをあげると大きくなっていく、だけど上限に達すとと吐き出しちゃうというレスポンスに遊び心を足し算することで2つの課題を同時に解決していました。これを

・UI脳と娯楽脳の二人三脚
短所を娯楽脳で長所にする
将棋は3席、麻雀は5席と、第三者の観客も楽しませる

とまとめていました。

また、「UIは何の略ですか?」と最初に観客に向けての質問があったのですが、尋常じゃない量のクイズを5秒間で答えさせれ、クイズの答えを番号で伝えるというくだりがあったのですが、これぞBAD UIでクイズを伝え方や答えをわかりやすく伝える、その伝え方がUIであるという手法で先輩のデザイナーから新人デザイナーに伝えているらしく、

・教えるよりも体験させる
・はじめての体験を大事に
・そしてやっぱり面白く!

この伝え方の心がけが新人の教育やもちろん、任天堂のUIへの考え方がすべてが凝縮していると心から感じました。


「UI」としてわかりやすく、「アート」として新鮮に

SplatoonUIの狙い|UI/UXデザイナー 橘 磨理子さん
ここでは、初代スプラトゥーンの開発裏話ともいえる、スプラトゥーンらしいUIをどう作り上げたのか、というテーマでした。

スプラトゥーンといえば、ゼロイチで作成されたまったく新規のタイトルでしたが、個人的に意外だったのは、こういった新規タイトルを作成する場合は既存の有名タイトルなどと常に比較しながら作成するのだそう。

スプラトゥーンのあの独特なフォント「イカフォント」もスポーツ感やイカの軟体感を意識しつつ、スーパーマリオでのフォントに対し、スプラトゥーンらしさを意識しながら作成されたんだそうです。

フォントをはじめ、オブジェクトや配色についても、イカ の軟体的・有機的・ゆるい、スポーツの太い・強い・早いといったキーワードとして言語化したものをオブジェクトに可視化していったり、影色に黒系を使わないことでスプラらしいポップ感を演出するなど、細部にまで「スプラらしさへの追求」と「自社有名作品との比較」を意識して作られていました。

アートの側面以外のUIについても、モノトーンの状態でも視認できるように明度と彩度の調整やメニューが中心の画面とバトルの画面のUIの専有量の調整など随所までわかりやすさ追求していました。

こういった修正やブラッシュアップを行う場合、UI側以外にも3Dデザイナーへの負担なども出てきますが、こういった事を遠慮せずに言える環境なのだそう。うらやましすみ。


安全=制限、じゃない

みまもりSWITCHは誰のもの?|UI/UXデザイナー 藤野 洋右さん
藤野さんはここまでのゲームUIとは違う、「みまもりSWITCH」のサービスのUIをテーマにお話されていました。「中のUI」からの「外のUI」のお話です。

みまもりSWITCHは子供がゲームをプレイしているのに対し、保護者が「遊ぶ時間の設定」や「ソフト起動やSNS投稿など機能制限」ができるスマホアプリなのですが、当初はプレイ時間の監視・制限と強制終了「時間の制限のみアプリ」で考えていたのだそう。
ですが、そういった保護者優先の機能にしてしまうと子供が悲しい気持ちになってしまうし、そんな悲しい顔を保護者が見てしまう「悶々問題」が起きてしまうと感じたのだそうです。

とはいえ、家族の在り方は様々。
そこで家族の様々なユースケースを考え「ゲームの会話をつなげる」手法で設計をはじめたのだそうです。
保護者は何のゲームかわからないから制限するわけで、ゲームに対しての理解につなげるUIを設計し、親子間で会話を作っていくという企てです。

・一瞬で把握できるようなUI
・良い、悪いを押し付けない
・アラームと中断モード

子供が何時間プレイしているのかに対し、プレイしているゲームのメインビジュアルを出し「何のゲームをプレイしているのか」を付与することで、日付ではなく、曜日を大きく表示することで、保護者と子供の会話のタネや会話を円滑に行う仕組みを作っています。曜日を強調して表示しているのは、子供は習い事や休みの日など、曜日を主軸にして会話をするからとのこと。納得感〜。
また、時間経過によるポジやネガを大きく表示しないようにしています。
家族で一緒にプレイした時などを「悪い思い出」にしない配慮とのこと!

アラームと中断モードについても親子間の配慮が成されています。
通常は指定したプレイ時間に達すると、アラームが表示されるようになっていますが、中断モードはUI上では奥に設置されています。

子供がアラームを無視して長時間プレイをしてしまった時などに保護者として温度感が高まった時に使用してもらう時の最終手段UIということです。

こういった家族間との無用な障壁を作らないためにUIUX上で様々な配慮をして「安心=制限」ではなく「安心=笑顔」を考え、みまもりSWITCHというアプリを生み出した、というお話でした。

まとめ

語彙力がアレですが「これぞUIとUX...!」と各セッションを聞きながら感じておりました。
今回お話していた方々がそれぞれのプロダクトに対して、ユーザーがどう思うか、どう感じるかを考え、突き詰めている所がすごいと感じました。

またさいごのくだりでお話していたのですが、どの案にするかなど選択肢に悩んだする際は「嫉妬する方」を選ぶようにしているんだそうです。
嫉妬という感情が揺さぶられる体験を自身でするからこそ、他の人の気持ちも動くのでは、ということなのだと。
僕もめっちゃ嫉妬しまくり人間ですが、この活かし方、勉強にします!

そして何がすごいって、こういったすごいUIUXデザイナーが任天堂社内にわずか30人のみだということ...!すごすぎする...優秀な人たちが集まりすぎ...!もっとたくさんいらっしゃると思いました。

まだまだ続くよ

レポ中心でしたが、続きも書きます!
続きは質疑応答の内容や、個人的に思ったことを書く予定です。
や、休み中には...!!!

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