デザインをごはんで訳してみる
前回、インプットとアウトプットをごはんとう●ちに例えた話に引き続き、今回はデザインの過程をごはんに置き換えて書いてみたいと思います。
デザインをする=ごはんを作る
「デザインをする」を「ごはんを作る」という形で例えてみます。
ここでのごはんを作るのは自分のためではなく、「友人や大切な人のために作ると想定する=クライアントやユーザーに向けてのデザイン制作」といった形でイメージをしやすくなりそうです。
「ごはんを作る」を具体化すると下記にようになります。
1. 献立を決める(何を食べたいか聞く、調べる)
2. 材料を揃える(買う・選ぶ)
3. どう作るか(レシピを見る)
4. 下ごしらえ(食材を切ったり、調味料を混ぜておいたり)
5. 調理する
6. 盛り付け
7. 完成!
これをデザインの文脈に置き換えるとこんな感じになります。
1. 献立を決める → オリエンテーション
2. 材料を揃える → 素材を揃える
3. どう作るか → 競合・作成イメージの調査
4. 下ごしらえ → イメージ可視化、プロトタイプ、デザイン案作成
5. 調理する → デザイン実作業作成
6. 盛り付け → 仕上げ、校正
7. 完成!
全ての過程をこなす必要が絶対ある、というわけではないと思いますが、献立を決めないままの料理はカオスになってしまうし、下ごしらえを怠ってしまうとスムーズに調理ができなくなってしまう。
対し、レシピを見ておけば、混乱もせずに料理を作ることができるし、質の良い材料を揃えることができれば美味しい料理への後押しになります。
料理に伴う様々な過程もデザインに置き換えられるかも
この料理とデザインのプロセスは前から考えていた事なのですが、Automagicゲスト、rootの西村さんの回でデザインのプロセスを食材で例えられていた際に「他のプロセスもデザインの例えることができそう!」と思い、置き換えてみました。
正直、一部を都合よく置き換えている部分もあると思うので、気楽に読んでもらえますと助かります!b
食材を育てる=「ブランドデザイン」
料理を作る上で無いと始まらない食材。これはロゴ、VI、CIといったブランディングのデザインに通じて考えることができます。
ノベルティ、名刺、Webサイトなどもロゴや理念などの"食材"の良し悪しが影響してきます。食材の質が悪いと、どんなにうまく料理できたとしても「めちゃめちゃ美味しい」にはなりにくいし、その域に行くのは高い調理スキルと努力が必要です。
手間暇をかける、愛情を持って育てていくことで良い食材を作っていくことがブランドデザインにも大事なのだと思います。
・完成品の質を高める
・素材が良いことで完成品がより際立つ
・育んでいくもの
調理道具=「デザインツール」
下ごしらえや調理時に使える鍋や包丁はPhotoshop、Illusrator、Sketch等のデザインツールに置き換えることができます。
最初は包丁などの扱いなどは難しいですが、何度も使っていくうちに慣れてきてます。包丁ひとつにしても切り方や使い方を覚えることで美しく飾れたり、電子レンジ(プラグイン)を使って時短をすることができます。
プラグインは時短レシピを事前に覚えていれば誰でも行えるので、どう作るかを考えることはやはり大事なことだと思います。
・作る人(製作者)が使うツール。取扱には注意。
・覚えることで作るスピードがあがる
・知識を増やせば時短ができる
ナイフとフォーク=「UIデザイン」
ごはんを食べるには、フォーク、お箸、あるいは手など口に運ぶための手段が必要です。
カレーライスに箸、プリンにフォークが使いづらいように作成したプロダクトやサービスの考え方や規模感にあったUIを設計していくことが大事そう。
またテーブルを彩るランチョンマットや食器などをこだわるということも場合によっては必要かもしれません。
・食べる人(利用者)が使うツール
・食べ物によって使うツールが変わる(パスタならフォークみたいな)
・使いやすさは人それぞれ(育ち方や国によって変わる)
おもてなし=「UXデザイン」
食材、ナイフやフォークは料理に対して隣接する要素でしたが、UXデザインは料理を振る舞う、食べてもらった時の感動や導線・要因のデザインに当てはめることができそう。
例えば、料理がケーキ・ターゲットが自分の子供だとすると、より美味しく食べてもらうために、ケーキのことを内緒にしてみたり、あるいは子供の誕生日だから、より嬉しく思ってもらうように誕生日にケーキを作ってあげる、といった、ケーキというプロダクトやサービスをどう美味しく感じてもらうかはUXにつながる気がしています。
・どう体験してほしいのか考える方法を考える
・そのために作るものもある
・食べてもらう人の事をよく知る必要がある
リサーチ=誰にどこで食べてもらうのか
冒頭では友人や大切な人、と料理を食べる人を固定していましたが、料理を食べてもらう人たちにもに色々なタイプ・個体差があります。
対象が1人なら好きなものをその場で聞けば良いかもしれませんが、複数人になると作るものをより選ぶ必要が出てきます。
そこで、多人数で喜ばれるメニューを調べたり、集まる年代に合わせた料理を調べたりとリサーチをすることがあると思います。
この準備を怠ってしまうと、無難な献立になってしまったり、良い反応をもらえなかったり釈然としない結果になってしまう可能性がります。
・たくさんの人に美味しく食べてもらうにはその人たちの情報が必要
・年代は集まった人たちの趣味嗜好でごはんが変わる
美味しいごはんが良いのか、ファストフードが必要なのか
美味しいごはんもファストフードも食べる上ではどちらも食べる上でのごはんとしての違いはありません。
ただ、ごはんを提供する側にどう思ってほしいのが一番大事なのだと思います。
美味しいごはんを食べてもらって満足感を得てもらうのか、ファストフードを研究・制作して食べてもらう側の生産性をあげるのか、これはプロダクトを生む側も受託制作会社等によって様々なケースが考えられると思います。
然るべきお客さんにより良いお食事を。
僕もより良いごはんを提供できるように精進していきたいと思います。
おっぱいプリン!!!