デザイナー1年目だった僕が「できていなかった事」
こんにちは。デザイナー10年目のモンブランです(たぶん)
4月ですね。
所属している会社にも新入社員が入ってきたし、電車内を見渡すとチラホラとスーツが肩になじんでいない人を見かけるようになりました。
この時期になると自分の社会人1年目をよく思い出します。
今回は、社会人1年目の時に「できると思ったけどできていなかった事」を書いてみます。
◆入社時のステータス
- 2010年3月大学卒業 / 同4月入社
- SODアートワークス株式会社(ソフト・オン・デマンドグループ)
- アルバイト経験あり(接客業 / 動画制作)
- インターンシップ経験あり(キャリアマネジメント系)
- デザイナー同期は1人だけ
1. 記憶と記録(メモをとる本質)
アルバイトや個人でお仕事をしていた時はメモをとったり、仕事でやって良いこと悪いことは覚えていたのですが、社会人になってから、コトに関しての母数が一気に高まり、メモをとってもおっつかない、というかメモをとれる余裕すらない(感情になる)もありました。
メモをとる本質は「振り返り」です。
どこの本にも書いてありますが、メモをとった事だけに満足するのが一番の命取りです(だったら頭で記憶する方がまだマシだがキャパが少ない)
メモで可視化して「必要な情報」と「不必要な要素」を吐き出し、改めて必要な情報のみ抽出する、というサイクルが大事。
2. インプット(広義的な情報収集)
学生の時から自分の好きなデザインやコトはありつつも、狭く深く興味を持ちやすい人間、且つ人より意識的にインプットなどをやってこなかったので、デザイン案での引き出しが「突発的な閃き」に依存しがちでした。
今はオンライン上の記事がありますが、一定のスキルを体系的にインプットするのは書籍の方が有効な場合があります。
インプットはバランス良くがおすすめ!
3. タスクの管理
自分は結構そつなくこなす方だと思っていたのですが、とにかくタスクに対するキャパが無さすぎました。ひどい時は依頼されて「3歩歩いて全忘れ」な時もありました(疑われますが、本当の話です)
ただ、これは当然で学生と社会人ではやることとやらないといけない事の質と責任が違うので、そこを混同していたのが良くなかったと思います。
記憶のキャパは限られているので、メモなどの外部記憶に頼る方が良いと思います。「ちょっと細かすぎないか…?」くらいでちょうど良いかも
今だとtrelloやNotionのカレンダーボード機能が便利です。
とにかく頭の中で考えて整理しないようにすること!!!!
4. 報告と連絡と相談
どこの会社でもまず言われますが本当にできない。とにかくこの3つを行うタイミングが本当に難しい。
「どのタイミングで相談しよう…」と考えながらジャケットを使って気付けば定時前、とかよくありました。
報連相は構えずに、粒度細かく、軽率にやっていくとクセになりやすいです。「報連相の内容を考える」というのが一番ナンセンスです。
また、たまに報連相をマストにしておいて、実際にやってみると聞くのを面倒臭がる人がいますが、そういう時は自分だけのチャットルームみたいなものを作って、要点の部分だけ抽出するくらいに抑えると良いかもしれません。
5. 質問や問いかけに答える
聞かれた質問に適切に答える。
これがかなり難しく、答え方を間違えると質問の質問をしたり、お互いに腹落ち(納得)することに時間(コミュニケーションコスト)がかかり「お前と話すと疲れる」と言われることもありました。
「結論」→「理由」の順番を心がけると話がスムーズにいくかもしれません。
また「説明が必要なのか」と「イエスノーで答えるか」の判断が結構重要だったりするので、イエスノーならすぐに答えをいいましょう。
あと、質問された時はそれを答える際に「自分の想い」は大事ではないので忘れないでおきましょう。理由とお気持ちはイコールになりません。
6. 自分だけで解決する力
「自分でやらなきゃ」に呪われていた様な気がします。
当然、1年目の僕がスピードとスキルで自己解決することなどできなくて、温めるだけ温めて、最終的に先輩の力を借りる(というかほぼ全直ししてもらう)という事がしょっちゅうでした。
そもそも、できるだけ自分の力だけで解決しようと思わないこと。
ワンマン起業家でない限り、デザイナーは「1人でデザインする」ということはまず有り得ません。
まわりを巻き込んでいきましょ!
7. 謝罪と感謝
自分のやること、やらなければいけないことで頭がいっぱいで必要な時に必要な対応、具体的には「ありがとう」「申し訳ありません」などが言えてませんでした。
特に「申し訳ありません」は変なプライドが邪魔して言えてない時がかなりあったように思います。
ありがとうは軽率に。
ごめんなさいは理由を添えて。
(理由のない ごめんなさい は互いを不幸にします)
8. 時間とお金の管理
社会人になった事に1ヶ月に1回、まあまあな金額のお金が入ってくるわけですが、
可視化が有効です。
お金の場合、今はマネーフォワードや銀行アプリやクレジット決済などで支出の可視化ができます。デビットカードはクレジット決済ができて、支出をその場で見ることができるのでおすすめです。
時間の管理は、ダラダラ作業をしないようにカレンダーを使ってのタスクのマイクロマネジメント化なども有効です。
9. アウトプット
これは「ゆるやかな死」のことです。
アウトプットの枯渇は多かれ少なかれインプットを怠りをすれば必然的に起きるもので、今思うとインプットのベースがほぼなかった1年目はある意味「死んだ状態からのスタート」だったかもしれないです。
技術的な面で言うと「休む」か「カテゴリを変える」ことが有効です。
例えばお菓子のパッケージデザイナーであれば、シャンプーのパッケージなどの自分の制作分野で業務の範囲外のことを活かしてみると良い気分転換になるし、気付きがインプットにつながることがあります。
10. 「できない」と嘆いた自分との対峙
そして、何よりもこれらの事柄を「できない」と気付いてしまった時、めちゃめちゃに打ちひしがれました。もちろん、先輩、上司にも、はたまたボク個人のことに対して、上長会で議題にあがったこともあり、内からも外からもダメな自分に大きく落ち込みました。
これの解決は経験と時が解決してくれたのですが「できない」と気付いた当初は「できない」と思っただけで、何の動きもしませんでした。
実際に「できなかった時の対策」を意識的にとれるようになったのは、転職した後からでした。
「振り返り」をした上で「問題点」と「改善法」の可視化が大事です。
週報、日報などを会社から提出するように言われたりすると思いますが、そこで可視化していくのも良いかもしれません。
可視化はメモでもブログそれこそnoteでも良いかも。
頭の中で考えず、外へ吐き出すことが大事。
当たり前の事を当たり前にできる、という大事さ
ハヤカワ五味さんがこんなツイートをしていました。
ここでは25歳以下といってますが、経験則ではあるけど、
40歳以上で、この当たり前なことができてない人も結構います。
個人で仕事をしている時も「当たり前のことができているんで大丈夫です」というFBをいただいた時に違和感を感じて聞いてみたところ、僕より年上の方で打ち合わせの時にデータの管理の時に報告や相談があれば簡単に済む問題を勝手に行い、小さなミスが多数続き、契約を切ったことがあるんだそうです。
なので、デザインのスキルも大事ですが「社会人として当たり前」なことを当たり前に知っておき、身につけておいた方が良いと思います。
10年目の自分は出来ているのか?
「こんだけ書いてて、じゃああなたは出来ているんですか?」という話ですが、その答えはノーです。
概ねは実行できているのですが、自分のその日のコンディションや、それこそ仕事が詰まってくると少しずつ綻びが出てきてしまうのは事実です。
というか、いきなり「できる人」っていないのです。
僕も約10年社会人とデザインをやってきて、社内でも社外でもそれなりに評価いただくようになりましたが、社会人1年目の「kuso of the kuso」を経験してきたからこそ、とも思っています。
見える化して、気付いて、改善する。
これが一番大事なんです。
おっぱい。