"色モノ"のデザイナーとして働いて、得ることが出来た気付き。

2010年から2014年まで"アダルト業界"で働いていました。

この"ワード"で2015年末にはインタビューをしていただき、色々な人との話題としてお話することができた。(これが全てではなけれど)
現在は渋谷で「色モノ」ではないデザイナーとして働いているけれど、仕事は「つくること」なのでやること自体はそんなに変わらない。

そんなに変わらないけれど、あの業界にいたことで、そして社会人として得た気付きなどを書いていこうと思う。

欲求へのデザイン

「常に●●コに響くか考えな」

上司が常に口にしていた言葉だ。
AVは人間の三大欲求のうちで最も「駆り立てられる」欲求だと思う。
食欲と睡眠欲は失うことで発するけど、性欲は得ることで発する。
もちろん、これには語弊はある。けど、食欲と睡眠欲は自然と欲する中、性欲はない人もいるし、常日頃、性欲不足という人もいない。

人間を満たすデザインではなく、駆り立てるデザイン。
今のUIやUXの使いやすさ、無駄のない動作ではない所がある分、欲求へのデザインはある意味アートに近い、けどデザイン性が伴う仕事だった。

今は事業やWebサービスなどが主体だけど、この欲求へのデザインはアダルト業界ならではだった気がしている。

0.1mmの向こう側

0.1mmへのこだわり、の話が出たりするが、まさにその0.1mmのズレを気にする制作進行の人がいた。
すごかった、本当に0.1mmのズレを言い当てるのだ。
でも、Webでは0.1mmで生じるモアレも、印刷はクッキリ写る。
印刷は本当に妥協できない。

蛍光と対策

蛍光と対策という本がある。

ジャケットでは、目立たせたり色の発色を良くするために蛍光ピンクといった「特色」を用いる。
この本はその特色を2色混ぜ合わせた場合の色見本を見ることが出来る。
蛍光ピンクと通常の黄色を混ぜ合わせるとオレンジに、青を混ぜると紫になるなど、印刷技術における特殊な技術を知ることができた。
銀箔、金箔、レインボー箔。UVインキを除いた当時の印刷技法の大半は経験した感ある。

紙でのUXデザイン

先輩デザイナーに教わったことだけど、アダルトコーナーでDVDを見るユーザーは、まず背表紙を見て、次に表1、そして表4を見る、といった一連の動作を行うのだと言う。

レンタルでの流通が普及した今、わざわざ販売DVDを買うのだから、それだけ吟味してDVDのジャケットを見る。顔はわかいいか。パケ詐欺はないか。
そういったユーザーの行動を考えながら作っていた。

先の欲求のデザインにも類似するけど、ここはより技術的なところで、例えば表1を見れば出演者がわかる。表4で各コーナーの詳細、上から下につれて「過激」になっていく。
ユーザーがこの作品はどういったストーリーなのか、を伝えるためのグラデーションの構成を意識したり、DVD販売コーナーに入るユーザーをイメージしながら作っていた。

当時は言語化されてなかったけど、「UXフローチャート」と「UXデザイン」はそこにあった。

できない理由を探すのではなく、できる方法を考えろ

がなりさんの言葉、と当時は思っていたけど、今はどのマネージャーや経営者も言っている印象。

正直、社内にもこういった人もいたし、グループ内でも文句と出来ない理由を言う人はいた。
でも、これを言う人の大半の人は仕事が出来ない。出来ないというよりかは仕事から逃げるのだ。

新卒だった当時の自分は「できない理由」を探すことは出来なかったけど、
「いらないプライド」はこれのおかげで削り落ちた気がする。


「デザイナー」という括りでは下層だとか、どっかのネットの書き込みにはあるけれど、低い層では低い層なりの工夫とポリシーを持ってやっている。

だからこそ、モザイクは漏れないのだ。

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アダルト業界に務めたデザイナーのはなし

AV業界でデザイナーとして働いていた頃に得たものや考え方、思い出を書いています。 ※2010〜2014年12月末の頃の話です。
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