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「つくし世代」で生きていく。多様性の高まるモノとコトへの考え方。

こんにちは。モンブランです。

今回は株式会社GIGで開催された「つくし世代(20代)の特性を理解して、若者を味方につけるマーケティング手法に迫る【TTT.15】」にお邪魔してきたので、そのレポートを書きたいと思います。

◆ご登壇者
藤本 耕平 | Twitter Japan株式会社 ブランドストラテジスト
1980年生まれ。一橋大学卒業。
2002年に新卒で広告代理店ADKに入社。企業のブランド価値を高めるためのマーケティング業務に17年間従事。その後2019年にTwitter Japanに入社し、ブランドストラテジストとして企業のコンサルティング業務を担当している。
【著書】
『つくし世代「新しい若者」の価値観を読む』(光文社新書)
『「つくす」若者が「つくる」新しい社会』(ベスト新書)


「尽くす」世代

今回の勉強会で最も気になってました(初めて聞いた)

つくし世代とは漢字で書くと「尽くし世代」
人に尽くすという意味合いで「つくし世代」と呼ばれています。

「最近の若者は「ゆとり」「さとり」とネガティブに捉えられることが多いですが、もっとアクティブでエネルギッシュな一面も持っていることを、世の中に伝えたくて、彼らのポジティブな部分にフォーカスを当てて「つくし世代」と名付けました。」
- cocoiroより引用
https://cocoiro.me/article/16631

勉強会の後に知ったのですが、「つくし世代」に該当する世代は「ゆとり世代」と「さとり世代」の範囲内にもあるらしく、説によっては1992年に小学校に入学した頃の年代も該当するらしく、20代が範囲と聞いていた現在32歳の僕もギリギリ該当していてびっくり。


「変化」が当然

つくし世代のお話の際に何度も出てきたのだ、つくし世代の親にあたる人達の世代の話でした。

親世代の事象・傾向
- 高度経済成長期(景気が良い)を経験している
- 人と違うことや自分らしさを望む
- 人との絆が強い

これらを大事にしていた傾向にあるとのことですが、つくし世代はこの親の世代の変化の結果を表しだしているようで、

つくし世代の事象・傾向
- 景気が良い状態を経験していない
- 人と違うことが前提
- すでに絆の強い状態を見ている

この違いが当時の共感値の高かった曲に現れているのが非常に印象的でした。

◆世界に一つだけの花
No.1になれなくても良い、元々特別なオンリーワン
→ 個や変化を認めてほしい曲

◆Let It Go(アナと雪の女王)
オンリーワンはさらけ出せないけど、解放すると気持ち良いよね!
→ 個や変化を前提にした曲


自信の個性を許容する

「人と違う」ということが当たり前な世界観になっています。

顕著に現れているものとしてオタク系などの本人達なディープな趣味嗜好がそれで、普段は普通の暮らしをしつつ、オタ活をする際はネットなどのコミュニティで活動する。
バーチャルでのコミュニケーション手段が増えた分、実生活とオタ活の境界線を作りつつリアルな場でもきっかけが生まれるかもしれない淡い希望もあるので、実生活にもさり気なくキーホルダーをカバンに付けていることもあるんだそう。

また女性のオタク系の人やゲーマーなどが表に出てきているのも、今特有の現象で「誰もがオタク状態」が生まれている。

だが当時にあったネガティブな印象はほとんどなく「何かが好き」というお互いの個性を許容し合いしながら生活をしているそうです。


「モノ」への価値から「コト」への価値へ

つくし世代の大きな特徴として、物にお金をかけることが少なくなったという点です。

わかりやすい例は誕生日プレゼントです。
つくし世代の人達の誕生日プレゼントは、高いものをプレゼント、といったモノでのプレゼントではなく、コト、思い出のプレゼントが増えてきているとのこと。

例えば、誰かの誕生日時は複数人で共用のInstagramアカウントを作りその子とのツーショットや集合写真といった思い出の写真をアップして、誕生日の日にそのアカウントをプレゼントするのだそう。
普通の飲み会に「〇〇会」と名前をつけて固有名詞化することで、思い出やコトとしての価値を見出す傾向との事です。


様々な「カオ」を使う

人がお互いに支え合う文化が当時あった中、現在は直接のコミュニケーションによる人と繋がれる人と繋がれない人の格差がより強くなってきています。

そこで生まれたのは部分的につながるという手段だそう。

- インスタ仲間
- 仕事の顔
- 旅行する顔
- 銭湯に行く顔
- SNSの顔
- ボードゲームでの顔

趣味の度合いなどによりますが、自分が関わる組織やコミュニティでキャラを使い分け(別垢を作る)、それぞれでの「ゆるいつながり(ネットのコミュニティ)」を大事にしているのだそう。


デジタルデトックス

ゆるいけどデジタルずっとつながるつくし世代に起きるのが「つながり疲れ」

このつながり疲れを解消するために、あえてスマホを触らない時間を作る、デジタルデトックスが当たり前になっているのだそうです。

銭湯、シーシャといった「チルする」という行為を良く目にするのもこの影響だそうです。


「良いもの」の価値観

先程のモノの価値に関連する点として、良いものを得る時の考え方も変わってきています。

安かろう悪かろうの精神で「高くて良いもの」を選ぶことに対し、つくし世代はコストパフォーマンス、つまり「安くて良いもの」を選ぶことにより高い満足感を得るようです。

「安くても良いもの」を選ぶこと自体は昔からあることですが、メルカリやジモティーなど個人間での売り買いのやり取りが容易になっていることで、低コストでも身の回りのやりくりをするのが当たり前になってきていることも影響してそう。


多様性を目論むコンテンツ作りが肝

ここまで、つくし世代の傾向を書いてきましたが、この世代に刺すためのコンテンツマーケティングとして大事そうだと感じました。

- 多様性を想定・許容するコンテンツ
- 「
コスパ」と「思い出作り」を狙う
- 息の長い施策だけ を計画しない

多様性を想定・許容するコンテンツ
ひとつの機能や世界観ににしぼりすぎず、様々な人や環境に適応できるようなコンテンツが◎
ミニマル且つシンプルで様々なユーザーに愛されているApple製品や、様々なユーザーの琴線に触れる要素を作った「君の名は」が大きな事例です。

- 「コスパ」と「思い出作り」を狙う
「浴衣割り」や「制服ディズニー」など、ユーザー側の導入コストが少ない(もしくはお得に感じることまでシフト)で思い出を作り、SNSに投稿してもらうことで、つくし世代への拡散を狙います。
この時も「強要をしない」ことが重要にようです。

- 息の長い施策だけ を計画しない
現代はこれまでに比べて「大きなブーム」を作りづらく、ブームが起きても一瞬で消費されていく時代です。
そのため、一過性のみの施策ではなく「知ってもらう」ことや、継続性の高い施策を実施していくと、つくし世代の認知につながっていくと考えられます。


まとめ

色々な多様性を持つ「つくし世代」を事細かに事例を挟んで説明する藤本さんの講演に、共感したり、新しい価値観を見つけたり、特に今の流行りやスタンダードになりつつある文化を、つくし世代の観点でご解説いただき、とても気付きが多い勉強会でした!藤本さん、ありがとうございます!

正直、マーケターの人が多く、デザイナーの僕は珍しく人見知りモードが開眼してしまい、主催のGIGさんのエンジニアとお話ばかりしてしまいました。お時間を奪ってしまいすみません〜!><

途中、キーワードとして出た「ワカナビセブン」というつくし世代を表す多様性についてもここにURLを置いておきます。
気になる方ぜひ〜!


また、この記事を書く前のセミナー当日のメモをこちらでアップしているので、ご興味ある方は合わせて読んでいただけると嬉しいです。
※ここに書いていない内容も書いてあります


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